口腔からはじまる全身への影響

1990年半ばから、歯周病が全身に及ぼす影響について研究する学問

「ペリオドンタルメディシン」が注目されています。

歯周病原細菌、または歯周病に疾患した歯周組織の慢性炎症が原因となって

産生されたサイトカインなどが血流にのって血管または各臓器に移行し

さまざまな全身疾患の進行・増悪・発症などと深く関連していることが明らかに

なってきました。さらに、歯周治療によって口腔内の細菌を減少させ、炎症を抑制することで

これらのかんれんする全身疾患の病態が改善すること、さらにはそのメカニズムが次々と明らかに

なってきている。歯周病の予防・治療は各種全身疾患の重症化予防に、つまり健康の増進に

寄与すると考えらています。

1、病気

①糖尿病

糖尿病患者群は、非糖尿病患者群と比較すると歯周病の発症率、進行度が優位に高いことが

報告されている。その他数多くの同様の報告から、歯周病は糖尿病の第6の合併症だと

提唱されている。

一方で、歯周病に疾患した歯周組織から産生されるサイトカインが血管内のインスリンの機能を

低下させていることが明らかにされてきた。したがって、歯周病は糖尿病の病態の重症化に関与

すると考えられている。この考え方に基づいて、歯周病治療によって糖尿病の病態が

改善することも国内外の研究から明らかにされている。

 

②、誤嚥性肺炎

肺炎による死亡率は、近年著しく増加しており、癌、心臓疾患に次いで第3くらいである。

高齢者の肺炎の多くは誤嚥性肺炎であり、咳反射の低下などによって誤嚥が起こり、口腔内細菌が

直接気管内に侵入するによって起こると考えられています。したがって、歯周病治療や口腔ケアに

よる口腔細菌の減少は、肺炎の発症率を著しく低下させ、また肺炎による死亡率も低下

させるのです。

③、血管疾患

歯周病の慢性炎症が進行すると血管内皮細胞に障害を与え、動脈疾患の発症リスクが高くのです。

又、歯周病による口腔内の細菌の減少が、血管内皮細胞の機能を改善するという報告もある。

また歯周病原細菌は、歯周ポケットから血中に移行することが知られているが、観血治療だけでなく

ブラッシングや咀嚼運動でも一過性の細菌症が起こることが報告されている。

④、早産・低体重児出産

骨粗鬆症を有する歯周炎患者は、骨粗鬆症のない歯周炎患者と比較して病態が悪化するという

報告があることから、骨粗鬆症は歯周病のリスクファクターとしてとらえられている。

骨粗鬆症の治療薬であるビスホスホネート服用者には、歯科治療時に骨壊死のリスクがあることから

十分注意を払わなければいけない。

⑤、肥満

脂肪組織から分泌するアディポサイトカインとよばれる炎症性物質が歯周組織の炎症を亢進して

いる可能性がある。一方で、糖尿病の項目でも述べたが、歯周組織で分泌されたサイトカインが

血流中のインスリンの機能の低下させ、肥満を引き起こしている考えられています。

⑥、関節リウマチ

歯周病と関節リウマチの共通点が多いい。関節リウマチ患者は、健常者と比較すると歯周病に

なりやすくまた重症化しやすいという報告があります。一方、歯周病患者は、歯周病原細菌である

Porphyromonas gingivaris が持つ酵素が関節リウマチの発症、促進因子となる可能性が

示されている。

⑦認知症

口は脳とつながっております。食べ物を口に入れて咀嚼することによって、咀嚼筋の他にも、

唇や頬の筋肉、更に嚥下(ものを飲み込む力)時には舌筋、口蓋筋群や咽頭の筋など多くの筋が

連動します。このようによく噛んでお食事をすることによって視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚という

五感の情報が脳に送られます。口の中は髪の毛1本でも紛れ込むと違和感を感じるくらい鋭敏な

感覚をもっております。咀嚼をすることによって脳に多くの情報を送り、脳の感覚系と運動系の

間で様々な情報が飛び交い、同時に脳にあらゆる部分の活性化させています。

ということは脳の縮小を抑えられ、認知症や記憶能力が衰えづらくなります。

同時に、ストレスの軽減や人間の3大欲求である食欲の幸福感も感じられるのができるのです。

免疫力の低下

歯周病が進行し歯を失い、入れ歯にした患者様がいるとします。

この患者様は総入れ歯を入れ、自身の口腔内に合わず食べものを噛むと痛く

流量食しか食べれなくなったとします。3大欲求で食欲を失いプラスに栄養が足りなくなりやせ細り

免疫力が低下し病気になりやすい身体になってしまいます。

このように、噛むということは人間にとって1番大事である事。では、入れ歯の質を変えるか

違う治療方針に変えるのか。これは歯科医療従事者である私たちが患者様の健康をお預かり

しているのです。歯科とは人間にとって1番というほど大事な役割なのです。

2、顎関節

多くの日本人は顎関節症に悩まれている方が多いいのではないでしょうか?

では、顎関節症とはどんな原因で起こってくるのかというと、噛み合わせから

発症していきます。では噛み合わせは自体はどんな原因で引き起こすのか考えてみましょう。

①、補綴物

歯科医院の治療を受けた際、何か補綴物(かぶせ物)を入れて経験がある方が

多くいると思います。その際にかぶせ物によって噛み合わせに影響があり

対合歯を確認した上でかぶせ物の種類を選択するのですが、ここで

ドクターの判断を間違えてしまうと患者様はその先、顎関節で悩む可能性が高くなります。

補綴物の特徴をしっかりと理解した上で選択をしていきましょう。

例)セラミックとジルコニアが対合歯ですとどんなことが起こりますか?

ジルコニアは非常に固い為、セラミックは割れやすく欠けやすくなります。

②姿勢

顎は食べたり喋ったりする以外にも、身体のバランスを取る重要なセンサーの役割も

果たしています。

身体の歪みがあれば、顎の動きや位置を変えて姿勢を調整しているのです。

その動きが大きくなれば痛みや音が鳴ったり、歪んで開け閉めするようになります。

つまり顎自体が悪いのでなく、歪み調整の結果として顎に不具合が出てくるのです。

③首・肩の痛み・腰痛持ち

心身の緊張や歪み、生活習慣の負荷が原因なので、顎の不調以外にも腰痛・肩コリといった

不調も必ずと言っていい程あります。

原因は同じなので顎の不調を改善するためには全身の不調を改善する事が必要であり、

顎が辛いからといって顎だけをどうにかしてもどうにもならないのです。

 

 

 

 

 

 

 

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